8 の字ダンス

先日、蜂に関する番組があった。蜂の偵察蜂は巣に戻って、花ミツのある場所を8  の字ダンスをしてその場所を他の蜂に知らせると言う。8  の字を描いてどのように知らせているか全くの謎だが、

とにかく8の字を描く。私は8  の字には思い出がある。師母とのマンツウマンの激しい訓練がピークを迎える頃に師母の隣にただ立っていた時のことである。急に誰かに引っ張られるようにガクッと膝が曲がり尻もちをつくように、師母の脚のあたりまで身体が低くなってしまった。私も師母もお互い目を見合って、師母の第一声、なんでお前はそんなに早く上手くなるんだ!であった。私はなんとなく分かってはいた。それからしばらく経って、十メートル程離れた所で師母の氣を受けていると急に重くなって、サークルを描くようにアヒルのように歩き始めた。丸を描いて、それでも勢いは止まらない。丸を描いて、また逆方向に丸を描く。8  の字ダンスである。私の頭の中では、はあ、氣が身体中回り始めて、氣を目一杯受けるとジャンプをしなければ、このように氣のはけ口は丸を描いて、それでも足りずにまた丸を描いて結局8の字を書くように歩き始めるのだ、と理解した。蜂の8の字ダンスも私の8の字ダンスも氣をベースにしたエネルギーの軌跡であると私は理解する。蜂は言葉を持たぬので、氣で会話をしていると思われる。師母と私も特別な会話も無く、お互い何を次にする、して来い、と理解しているように思われた。氣の会話である。8の字ダンスは人の常識を超えるのである。