氣と柔道

氣が柔道に応用されて、オリンピックで金メダルを取ったことがある。以前、、 NHK の「挑戦者たち」という番組があった。私はこの番組が好きで、毎回、ビデオをアメリカで借りて見ていたものだった。中島みゆきがテーマソングを歌っていた。もうお分かりだろう。その中の一編に柔道の神永先生のオリンピックへの関わりを扱ったものであった。オランダの当時の日本には見たことも無い二メートルを越す身長、体重百五十キロの熊のような巨漢と対戦して、敗退する。その後、日本の柔道は誰もがバーベルを使ったトレーニングに切り変わる。神永先生はオリンピック代表監督に就任して何回か金メダル奪還を目指すが、日本柔道の低迷は続く。そして、ついに身体の柔らかい選手を発掘してオリンピックに向けて準備する。秘策として小柄な日本選手でも負けない技を伝授してロシアの巨漢選手に対抗する。どんな巨漢の者でも技のかけ始めはスピードが遅い。相手が投げようとした瞬間に相手の柔道着を掴んでいる手を柔らかく相手の胸にそえると、相手はチカラを出せずに投げられない。結局、この小柄な日本選手が金メダルを取ってしまった。この選手は現在、柔道連盟の会長になっている。この番組を私は涙無くして、見ることが出来なかった。この技は氣の応用である。神永先生はこれを氣とは呼ばなかったが、長年の鍛練の後にご自身で発見したに違いない。決勝で戦ったロシアの選手はこの時の試合を振り返って、あれは不思議な試合だった。技をかけようとしてもチカラが入らずに投げられない。逆に日本選手がドンドン技をかけて来て負けてしまった。まるで柳の枝がしなって、受け流しているようであった、と。私には状況を聞くだけで、これは氣がチカラに勝った試合で小柄な日本人がチカラの強い外国人を打ち負かした、世界的な実例である。柔道に限らず、相撲にも応用出来るものである。ちなみに神永先生は仙台出身で私と同郷である。私はこのことを誇りにしている。