其の四若き日映画に出た

1994年の頃と記憶している。

未知への旅人という映画の端役に使ってもらった。私が武道家シュートボクシングの選手を投げる設定であった。

打ち上げの宴会にお酒も出て、盛り上がった頃に中国人氣功家の先生がお酒を水に氣で変えてしまった。映画会社の社長がこんな場で水とはね、というので、私は水の盃を手に取って、水をお酒に戻して社長に渡すと、これだよ、これでなくちゃいけないよ、せっかくの酒を水に変えて飲む奴はいないよ、と言った。

東洋医学鍼灸の技術に補瀉というものがあって、補する場合は右に、瀉する時は左に、針の氣を回すのである。この氣功の先生が酒を水に変えた時に左に回したかどうかわからないが、私は右に回して水に氣のエネルギーを補ったのであった。結果、水は酒に戻った。安い酒を美味い酒にすることも氣には出来るのである。