タヒチの人びと

来年の話をすると、鬼が笑うかもしれないが、来年二月にタヒチ行きが決定している。南半球だから、日本の二月は

タヒチでは真夏になる。とても暑い。

海の色がエメラルドグリーンで日本の海の色とは大分違う。私が訪れる島はタヒチで二番目に大きい島でその島の山、と言っても丘と言った方が正しいかもしれない。その丘の頂上には特殊な花が

咲いている。その花は世界に一つしかないそうだ。白い5弁花で、以前訪れた際にみんなとオートバイに乗って頂上まで

行ってその花を摘んだのだが、土地の

若者が私の為にバッサバッサと切っていく。貴重な花で保護されていると聞いていたので、 enough, と言って、切るのを辞めさせた。アメリカに帰国前に耳に

刺して空港に着くと現地の人が、それは俺にくれよ、と多くの人に言われた。

タヒチの人はこの花が憧れらしい。

私だけがこの花を耳に刺しているので、

誇らしかった。テッコンドーの若者達と

交流を深めて、こんなことまでしてくれた若者達は三十年後の今はどんなに

なっているだろうか?すでに結婚して

たくさん子どもがいるだろうか?

私は懐かしい友人に会うと、感情が高まって、泣いてしまう。私の友人はあれ以来、結婚して男の子が二人出来て、この

息子たちは

今はパリに住んでいる。最後に会った時は5歳であったから今は三十五歳になっている。確実に私よりはるかに大きいだろう。この子ども達のおじいちゃんが私にはタヒチの父であった。大分前に亡くなった。お墓参りも兼ねている。

友人に空港で会えば、これでは、泣いてしまうのは確実だ。カッコ悪いなあ!