自由と規律

急に高校生の時にクラスで読まされた「自由と規律」という本が頭に浮かんで、これを書いている。イギリスの

パブリックスクールの寄宿舎の生活の話である。この本を読んで始めは、良く

理解出来なかった。若い時には、自由が規律より魅力的に聞こえて、規律を

排除する。日本では親兄姉のしがらみと社会的規制に縛られて型にはめられている感じがして苦しかった。アメリカではしがらみがない分、自由を満喫した。

アメリカでは、規律がないようでいて、

実は法律がいっぱいあって、ウッカリ

すると日本よりも厳しく規制されることもある。日本の若者は、私が直に知ったのは、あの神田兄弟であった。

アメリカの若者は成人前には家から出て

自立する。しかしあの日本の若者でない、バカ者達は母親に依存して、私に

依存して、いとこに依存した。

アメリカではそんな甘えは許されない。

彼らには規律は無く、自由だけ存在した。

と言うよりも甘えだけ存在した。

なぜ母親がそんなことを許したのか

私には分からない。たぶん、子どもの頃に両親が離婚したことを母親に責任を

押し付けたのであろう。一番弱く、でも、

愛情を注ぐ人への甘えである。他人への

批判は厳しい。そして自分には甘い。

勉強は嫌いで、上昇志向は、他人の

何倍もある。ウソをついても自分の

欲しいモノは手に入れる。母親は

六十過ぎて一人働き、大学を卒業した

上の息子を家に住まわせる。アメリカでは決して、

起きる現象ではない。私は東京の大学に入って、家には戻らず、自立した。

もちろん、病気の母親に頼る気持ちなど毛頭ない。規律と制約なくして自由は

無い、と気づいたのは、アメリカに行ってからであった。子どもの頃に寄宿舎に

子弟を預けるイギリスの中流上流階級は

代々、そのようにして、ノブレスオブリージュの心を育て上げるのである。

アメリカにはそんな伝統は無い。しかし

日本にはそんな伝統も無いのに、ノブレスオブリージュを実践出来る者が

たくさんいることを私は経験上知っている。考えて見て、得た結論は、日本人には

武士道が存在していた。その心は今でも

日本人に脈脈と流れているのである。

カネやモノが不足しても心の満足、高貴な心、を大事にする。武術を現代に

修行する理由はここにあるのでは

なかろうか?武術を通してカネ儲け、武術で、瞑想で、モデルのオンナを探す

日本の若者ならぬ、馬鹿者はノブレスオブリージュなどが、あるはずもない。

今でも規律は無く、自由勝手気ままに

生きているだろう。