前受け身

万端の準備をして今夜の修練会に向かい

訓練の最後に前受け身をしてみた。

パッとすぐには出来ない。が、気持ちを整えて度胸を決めて決行した。ぎこちない軌跡を描いて曲がらない左脚を投げだす形で床に身体は横になっている。

二十年振りに前受け身をしたのであった。感無量であった。 first time in a long time  である。一度出来た体技は

二回目からは少しずつ恐怖感を剥がす形で、反復練習をするとスムースに出来るようになっていく。時間の問題である。

もう心配ない。来週デイケアのリハビリの先生に受け身の話をして、リハビリの

マットの上で何回も前受け身をトライして恐怖感を取り除く。これが出来た後は

後ろ受け身である。同じように恐怖心を

捨て去り、度胸を決めて決行するのみである。度胸を決めることである。

厚いパッドが入っている膝当てを手放せないだろうが、完ぺきに出来るまでの私の友達だ。立つ際にひざまづいても痛みは無い。心強い友人である。家のベッドの上もストレッチの練習場になっている。次の段階に突入だ。ここまで三年である。手術もせずに、ここまでこぎつけた。あと三年したらどうなっているのか

想像出来ない。なんとか普通に歩けるだけでも、大きな奇跡である。立って

道場生と練習することをアメリカの元道場生が見たら、肝を潰すだろう。

人間の持つ再生能力は奇跡的な働きをする。私の身体で実験実証をするのである。このまま回復すると私には大きな

自信となり、さらに長く生きる確証を

持つであろう。