戦後七十三年

私は戦争を知らない。日本は戦争で丸裸となった国をゼロから築き上げて、エコノミックアニマルと言われながら、経済中心の国の再生を図り、七十三年の年月が過ぎた。経済優先の結果、得たものも大きいが、失ったものも大きいと思われる。私の身近に起こったカネ、カネ、カネ、の不祥事は日本人の心を失った者のアニマルのように、カネに飢えた人間の所業であった。日本人の心は何処に行ってしまったのだろう。心が伴わないカネ目当ての人間関係は自分の信用を失くして、寂しい人生を送ることとなる。今まで一緒にいた者の心は離れて自分の周りからいなくなってしまった。日本人でなくても同じことをすれば、人心は離れるだろう。そんなにカネが欲しければ、武術でなく、金貸しにでも弟子入りしてカネを稼ぐことである。武術で有名になりたい、カネは欲しい、では、あまりに身勝手で欲張りだ。強欲は身を滅ぼす。見えないものである氣を訓練する者は、カネやものに執着心を持たない。心が乱されてしまうのである。瞑想をする限り、ある意味で禅宗の修行者である雲水の心境になることが必要である。あまりに俗的にカネやモノに執着すると、氣功のワザを習得出来ない。そろそろ、振り子のようにカネやモノから心の方に日本は戻る時期に来ていると思うが、我欲と私欲は人間の持つ性であるので振り子が戻ることは難しいものと思われる。