中国から日本の文化へ

思えば、私が通氣をいただき、1992年より、日本のテレビで尤氏長寿養生功が取り上げられてから三十五年も経っているのであるが、ドクター尤、師母と相次いで亡くなられて尤氏長寿養生功は中国の文化から日本の文化へと私によって移行している。途中、私欲に負けて即物的なモノやカネに心と魂を売り渡した者に道場と尤氏長寿養生功のワザ、魂を辱められた事件もあったけれども、その間に私のたゆまない修練は尤氏長寿養生功に進化をもたらして、今に至る。狭い日本を飛び出して世界に進出しようとしているのである。身体は過酷な師母との訓練で左膝を壊して、身体障害者とはなっているが、精神と気迫には何ごともなく、氣はもっと強く重くなって、旺盛にスケジュールをこなして、講習会参加者の中に地方講習会の開催協力者を見つけて、第一回北海道講習会を十月に予定している。まだ、講習会遠征費用を充分にまかなえるチカラが備わっておらず、十一月のデモンストレーションを有料にしてタヒチ遠征費用をも援助していただくことになっている。浄財は全て、遠征の交通費並びに必要経費のカバーに使わさせていただくことになっている。尤氏長寿養生功を汚した者のように、汚辱にまみれて私的な欲望の為に使われることはない。中国の文化を日本に移植するには膨大な時間と経費がかかり、さまざまな邪魔が入るであろう。途中チカラもなく、カネ欲しさに心を己れの野心と欲望に売り渡して全くドクター尤老師の理想を受け継いでは無い武道を創始したと豪語する者も現れて、混乱させられたこともあったが、ようやく、尤氏長寿養生功は日本の文化になりつつある。日本人にホンモノの中国武術の精華が伝えられて、三十五年を経て、進化を遂げてタヒチへ、フランスへ、ヨーロッパへと進出の機会を得ている。タヒチからヨーロッパへと紹介される頃には中国源流の氣功武術は進化して日本の精神文化としてではあるが、尤氏長寿養生功のエッセンスは曲げること無く伝えられて行くことになるだろう。

時の流れ、と武術文化の継承の難しさを感じている昨今である。