先輩❷逸話

私の先輩の逸話がある。とっても興味深い話であった。いつの日だったか、仲間うちでサッカーの試合をしたのだと言う。試合が始まり、相手チームのメンバーと先輩の身体が接触しているうちに相手メンバーが接触すると跳ね飛ばされて、ゴロンゴロン、と倒れ始めたのだと言うのである。互いに手の内、実力を知っているので、私が、勁が接触しているうちにかかった。氣が回り始めたのだな、と言うと、「 That's Right!」と彼が言って、二人で大笑いをしたことがある。この先輩からドクター尤と師母の訓練対決の推手の動画テープを送ってもらい、指導員全員と私の家で見ることになっている。ちなみにこの先輩は、師母が亡くなられてから日本の曹洞宗に帰依して福井の永平寺に時折来て、奥さんと共に参禅していると聞いている。私と彼が尤氏長寿養生功について話をすると、いつも最後は両方共に押し黙って、ただ言っていることに頷くだけの暗黙の了解で以心伝心の会話となる。私の死んだ妻がそれを側で見ていて、いつも羨ましいと言っていた。