伝染の病い

キッパリ道場の総大将と尤氏意拳の総師範はお互い知り合いである。片やモデルになった人間、片やモデルが大好きで、道場生からくすねたカネで買ったクルマでモデルを隣りに乗せて乗り回す。セレブになりたいらしい。ニセの道場を開くことはどうも病氣で、伝染するようである。モデルになった者もモデルを好きな者も自己顕示欲が旺盛で、人の前に立ちたい、目立ちたいとの欲望の他に武術や瞑想の達人と言われたいらしい。何と強欲で、欲が強過ぎる。どっちも、強くなりたい!と言っていたけれども、すでに強くなっている。欲に関しては無敵のチャンピオンだ。これだけ欲が強ければ、もう誰も敵わない。人間の欲は果てし無い。それだけの欲望の想いを遂げた後は、どんな欲望が出てくるのであろうか?最初に抱いた夢が叶ったら、それで良しとすれば、問題も起きないが、自分の分以上のものを欲しがって、ルールに反する行為をしてニセ道場を開くことが命取りになる。一生の間、私に糾弾されてウソつきのレッテルを貼られていつも実力がどんなものかを生徒にチェックされる。氣の休まる時が無い。