前人未踏

不思議なことに、この嫌な、つまらない出来事で不愉快な想いをしている最中に、私の氣とワザに極端な変化が起きているのである。進化しているのだ。前述したように個人教授で氣功を教えているうちに自由な発想でワザを試していたら、さらに新しいワザの開発をすることが出来た。そのひとつがオバケ拳法である。相手は歩けなくなるほどに重くなって、空中に舞い上がるほどに投げられる。氣とワザが進化している。何とも不思議な感じである。状況的には獅子身中の虫に食われているような中でも、氣は増大してワザは進化する。根性がキツくて悪い者たちがどんなに組織を崩そうとしても、訓練は怠るな!と言う師母、ドクター尤老師の励まし、と思って、これよりますます、淡々と毎回の指導員たちとの訓練に打ち込もうと心を新たにしているのである。ドクター尤老師も師母もいない今の私は私の前に道は無く、一歩一歩自分で切り開いて行かねばならない。誰も経験していない未知の領域に足を踏み入れる。前人未踏の地は険しいが楽しくもある。この二名の反乱者が決して踏み込むことの出来ない地に続く道なのだから、