生い立ち

私の生い立ちについては、噓いつわり無く、全て開示した。貧困によって、侮りとイジメを受けて、夢という夢を叩き壊されたが、長じて、自分の意志と自分の智慧とチカラで自分の進路を切り開き、借りたお金も働いて返済を完了した。この時に私は私の生い立ちに勝利した、と感じたものである。そしてアメリカに行くこととなったのであるが、今考えれば、アメリカに渡航した本当の意味は私と尤氏長寿養生功との出会いの為であったのだろう。外国に長い間住んでいると、周りに日本人がいないので、日本人としての自覚が強制的に持たされる。そして、自由を満喫した。また、自由には規律が伴う。尤氏長寿養生功の勁空勁は私に衝撃を与えた。究極の武術と思えた。師母をついに見つけた唯一の師匠として、毎日、毎日師匠である欧陽敏師母との練習に私の全てを捧げた。そんな修行の末に師母の方から、お前が日本で教える時には師母から習った、と言うんだぞ!と言うようになって、暗に教授の許可を私に与えるようになっていた。ここでも、私は道場でのイジメや侮りに打ち勝ったと感じたものである。そんな人生を歩んで来た私は、二人の離反者が私の道場から出た事実に衝撃を受けたのである。自分の生い立ちに負けて、培われた反動としての自己顕示欲と金銭欲を尤氏長寿養生功を利用して、達成しようとした汚ない心に嫌悪感を覚えてしまうのである。生い立ちの逆境に立ち向かう時に他人を騙して、師匠にも後足で砂をかけるような行為をしてさっさと退会して、私に破門される。私は生い立ちに勝ち、二人の離反者は生い立ちに負けた。