震脚

我々がジャンプして、いわゆる太極拳で言うところの震脚をするわけなのだが、最初のジャンプはなかなかに難しい。両脚での連続してのジャンプは日常しない動作であるから、筋肉がついていないのですぐに疲れて一分くらいも連続してのジャンプはなかなか出来ない。だから、すぐに息があがって辞めてしまう。どんな筋肉質の武術家も長くは出来ない。しかし、慣れて来ると、五分、十分、三十分、とだんだんジャンプの時間は長くなって、あまり息もあがらなくなってくる。脚力がついて、スタミナがつくからだ。この震脚は尤氏長寿養生功の最大の特徴である。站椿功と両脚でのジャンプは尤氏長寿養生功の秘密と言って良い。こんな極秘中の秘密を開示して良いのか?と思う者がいると思うが、站椿功もジャンプもただ立って、ジャンプしている訳ではないのである。どのように立っているのか、どのようにジャンプするのか、口伝があり、実は一対一の師匠との直接の訓練が大事で、必要不可欠なのである。長い時間、師母と一対一の訓練を受けた私は一番濃密に口伝と体伝の両方を得たと言って良い。どのように立つか?背骨の曲げ方、手指の形、足の重心のかけ方など、修正することがいくらでも出てくる。ジャンプにしてもどれほど深く膝を曲げてジャンプするのか、初めは何も分からない。自己流でやれば、身体を壊して、ケガもする。であるから長い時間をドクター尤老師とすごし一番口伝体伝を受けた師母は私にとっての最高最良の師匠であった。私は師母が高齢で、師母ご自身がもうすぐ死んでしまうから、今、全て教えていると言っていたので、ますます、訓練に拍車をかけていたのである。ジャンプのし過ぎで、膝が悲鳴を上げて、膝を曲げるとパキッパキッと音を立てて、歩くことも出来ないほど、膝が悪くなっていた。あまりに膝が悪くなってどのようにしたものか?と思い、考えて、近くの州立公園の中にある温泉に毎週一年間通って、膝を温めてついに痛みとパキッパキッと言う音も消えたので、家の階段の登り降りも出来るようになったのである。それでまたハードな訓練を再開出来たのであった。何回も言うことであるが、毎日二回七時間の訓練を二十年続けた震脚の回数は七百二十万回を数えたのであった。その後に私は遠く、タヒチの、ある島で尤氏長寿養生功の勁空勁の開眼を体験したのである。正しい震脚の訓練をすると筋肉が正しくついて、氣が蓄えられる。勁と空勁の原動力となる。だから、良師から正しく長い間習った良師の下で修練することが大事で必要なことである。