武術と瞑想の目的

西洋の、特にイギリスで貴族階級に求められたノブレスオブリージュ   Nobles Oblige  は日本の武術と融合合体して弱い者を助け強い者を挫く武術家の心構えとして浸透して来た。特権階級に居る者は自ら国と弱者に奉仕すると云う行為は今でもイギリス皇室に根強く残っている。日本では以前私が通った高校でも質実剛健などの言葉で文武両道が奨励された。私は半世紀の長きに渡って武術武道に携わって来たが、武術の目的はこのノブレスオブリージュを会得することであると思うようになった。武術の究極の目的は心を持つことであろう。その心の内容は東洋の言葉では仁と言える。西洋の仁に当たる言葉がNobles Oblige  であろう。

理想の武術家は心が平和でその気概は弱きを助け強きを挫いて、ワザを闘争に使わず闘争を求めない。しかし、弱者と自分の誇りを失なう危機に際しては普段は抜かない刀をためらうことなく抜いて解決に当たる。私的には家族を想い、友人多く、多くの人に慕われる徳のある人物である。自分の師を大切にする。現実的には達成することなど難しいがその理想を求めて努力する。一方瞑想は自己究明と悟りと救済を目指しているのだろう。武術武道と瞑想は修行する姿が同じである。心の平穏を求めて自己の究明を成して悟りを得ようとする、自分の周りに理想郷を作る。武術と瞑想の

目的を達成しようとする心が周りの人に影響を与えて平和で健康で長寿になる社会を建設するのが尤氏長寿養生功の夢と目的である。