飲茶ヤムチャ

どうでも良いことではあるが、日本を去る前にどんな小さなことでも話し残して尤氏長寿養生功をどのようにして習得したか、師母の思い出話しを言っておきたい。朝の練習が終わると、何時もみんなで中華料理屋に行ってランチを食べた。当時、中華料理は街で一番安く、量も日本の中華料理屋に比べても倍ほどの量があって、しかも半分以下の安さであって、私にはありがたい食べ物であった。サンフランシスコの中華料理はどの店に入っても、当たり外れは無く、とても美味しい。特に中国人の仲間と一緒だから、注文するに慣れていて、美味しい料理なのにとても安かったのを覚えている。私の武術家としての身体は中華料理で作られたのである。面白い話がある。食後にデザートで、抹茶のアイスクリームが出て食べようとすると、横から手が伸びて、私の手から失くなっていた。誰がこんなイタズラをするのか?と見れば、 師母であった。オヤツを奪われた子どものような顔で師母を恨めしそうな顔で師母を見ると、「氣功を習う間は身体を冷やしてはいけない」と言って美味そうに食べている。トホホ、と思って、帰宅した。今では、アイスクリームもコーヒーも何とも無く食べたり、飲んだりしているのであるが、当時はお茶はもちろん、コーヒー、アイスクリーム、嗜好品は二十年間飲んだことは無い。これは何故かと言うと、出来るだけ肝臓に負担をかけずに身体をクレンジングする理由があるからなのだ。震脚ジャンプと立禅座禅を行ない、嗜好品を辞めて、白湯ばっかり飲んでいるとクレンジングされた身体の皮膚は赤ん坊のような肌になって、ツルツルのスベスベになる。私の妻はいつも、先生の肌には負けたわ、と言っていた。女性の肌よりスベスベになっていたのだ。ひとつ覚えているのが、練習を終えて帰宅してシャワーを浴びている時にシャワーの水が下腹から下に落ちて水滴が下腹に残っていなかった。スイカのようにまん丸になった下腹には水滴がつかないほどに皮膚にハリがあり、下腹もパンパンに張っていたので水滴は残ることが出来なかった。そして中華料理の油もスベスベの皮膚に貢献していたに違いない。今思い出しても懐かしい師母との思い出である。