自然呼吸

氣を修練する際には、調心、調身、調息、と言って身体と心を整えて呼吸も整える。どれも大事なものだが、瞑想時には無心になれ!とか何も考えるな!と言われてもくだらないことが頭に浮かんでくる。昔の思い出したくないことまで浮かんでくる。瞑想にならない。こんな時には呼吸に集中する。尤氏長寿養生功チベット密教の影響を受けているので、仏教式の自然呼吸をする。この場合、鼻から息を吸い込んで鼻から息を吐き出す。これを自然呼吸と言っている。道教では腹式呼吸と言ってお腹を膨らまして息を吸うのであるが、腹式呼吸は身体が耐えられぬほどのエネルギーが入り込むと言われている。道教の瞑想は仙道を求めて仙人を作ろうという人為的な意図があるのだろう。我々は仙人になろうとしているのでは無い。仏教であるので即身成仏を目指している。欲を制御する方向で瞑想を行なう。結果として、副産物、健康長寿が産まれるということであると思われる。長年の瞑想は呼吸が静かになって、音も無く、呼吸をしているのか分からないほどに静寂と混然と一体化して周りの空気に溶け込んで生きているのか死んでいるのか傍目には分からないようになっている時に初めて無心となる。