文武両道

また、ラグビーの話になってしまうが、実際に私が見た経験から絶対に言わなくてはならぬことがある。日本代表を務めた選手の中にこの大会が終わったら、引退をして医師になる為に医学部の受験をする選手がいるのだと言う。私は思うのである。このラグビー弱小国日本で、今までどれほどの練習をして、どれほどのケガをして、どれほどの距離を全力疾走して来たか?中途半端な練習ではワールドカップで一勝することすら出来ることではない。どんな武術、どんなスポーツでも、徹底的に訓練した者は学業に於いても、勝つことができるだろう。文武両道と言う言葉通りに、中国では、学業を捨てて、武術の道に進んだ者は武術において、達人になった者が多い。文も武も世界は違うが、する者は人間であるから、やる氣があれば、どちらの道に進んでも成功する。このラグビー選手は若くは無いが、医学部に合格して医師になると私は思う。なかなかに出来ることではない。スポーツでも医学でも頭脳が要る。私はこの選手と私を比較するつもりはさらさらないが、尤氏長寿養生功のとても、とても、修得するのに長く、厳しい訓練が必要であって、並大抵の修行では絶対にもらえない通氣までもらえて、勁空勁を出来るようになって、教授の認可を受けたのは、修行開始から三十年を経ていた。それこそ、師母と出会って亡くなる寸前までのあいだに一対一の厳しい訓練を毎日したのである。中途半端な訓練修行ではない。だから、この選手の人生が、夢であったスポーツでも医学であっても、実現することが可能であることがわかるのである。格闘技も中途半端で、学業も中途半端な者を私は見て来た。全て与えられて、どちらも成就出来ない者はこれから先、なにごとも成就することは無いだろう。カネやモノが揃えば出来ると言うことではない。人間の中身の問題なのである。やってやる!という気迫、時間を惜しんで熱中することに没頭する態度、ものごとを分析して、どのようにしたら自分が納得する結果に到達するか工夫する、不平を言わずに集中して向上心を以って上を目指す。誰にも出来ないことを達成する。私はこの選手がラグビーワールドカップで優勝した後に引退して、医学部に合格して素晴らしい医師になるように祈りたい。神様はそんな努力をする人間にチカラを貸してくれる。決して自分に都合良く、神様の名前を語って詐欺まがいの武術を商売にする者が成功するはずがない。土台、文武両道など出来る人間では初めから、無かったのである。この両極を見た私にはこの違いが心の底から理解できるのである。おそらくラグビーワールドカップで優勝して、その後にこの選手は医師になるだろう。両方を手に入れられる努力と精進をした者が二つのものを手にする権利はあるのだ。私は学業はダメだったが、尤氏長寿養生功を手に入れて、今、とても幸せに生きている。ひとつだけでも良し、と私は言わざるを得ない。人生の目的は何と言っても、幸せになることなのだから!