上虚下実と彼我一体

古から武術の理想的な究極の身体は上虚下実であると言われて来た。私も意拳を源流とする尤氏長寿養生功を学ぶ時もそれを目指して修練して自分の身体を作り上げていった。上虚下実は身体の外側の

ものであって、図形的には正三角形である。一方、西洋のスポーツでは、見映えの良さがある逆三角形の身体を作る。西洋人が正三角形の上虚下実を作ることは少し難しいことになる。腸が短く、脚が長いので腰や膝を壊し易いのである。東洋人、特に日本人は腸が長く、胴長短足だから正三角形の身体を作り易い。畳の上での生活になるから脚腰がしっかりしている。アメリカ人で老人の高齢者は鶴のように脚が長く細く、ヒョロヒョロと歩いていた。イスの生活である。日本人は畳の上で、立ったり、座ったり の生活様式で幼い頃から脚腰を自然に鍛えられているのである。だから、正三角形の身体を作り易いのである。上虚下実を保ちながら、氣を養うと、氣は最終的には体外へ出てくるものなのである。我と彼が氣で繋がると、相手と我の氣はお互いに一体化されて治療時には奇跡的な効果を生み出すことになる。昔の中国 武術家は医師でもあった。上虚下実から生み出される氣を使えば奇跡的な医療効果があるからだ。東洋の武術の理想を体現出来るのが尤氏長寿養生功なのである。