老いと目標

老いは、誰にも訪れる。避けることが出来ない。尤氏長寿養生功を訓練すると健康で長寿になるが、その上で、夢と目標を持って生きれば、老いることを遅らせることができる。師母は、七十年もこの氣功武術を訓練して百歳を超えて生きたのであるが、それだけではない。目標を持っていたのである。ドクター尤老師が亡くなられた後にこの氣功武術を我々に教えて後世に伝えて欲しいと思っていた印象が私にはあった。そんな時にあまり好きでもない日本人の私が現われて、全霊全身で修行に打ち込む私が師母を喜ばせていたのである。毎日必ず練習に顔を出す私を心憎くは思えなかったはずだ。ドクター尤老師より受け継いだ氣功武術に大変な興味を持つ私が一度教えられるとすぐに出来るようになっていたので、師母自身の練習台に私を選び三十分も四十五分も投げ飛ばしてジャンプさせていた。他の先輩道場生が嫉妬するほどに私を痛めつけるように氣で私を打った。他の先輩たちはたった五分位のジャンプであったから嫉妬するのも無理は無い。人生の最晩年にこんな真剣に目標を持って、生きる師母は百歳を超えても老いてはいなかった。目は爛々と輝いて私を睨みつける。私を打つ氣はとてつもなく強大であった。私はそんな師母をまじかに見て、毎日、毎日訓練修行して今の自分が作られたので、私も師母に倣い、これより老いて行く私も目標と夢を持ちその実現の為に全身全霊で生き抜きたいと思っている。