知慧と能力

動物の能力と智慧が人間に勝ることは動物が極地でたくましく生きていることを見れば分かるだろう。人間の身体能力や智慧はそれに比べてあまりに矮小である。そんな中で、尤氏長寿養生功は人間に無限の智慧と能力を与えてくれる。私の手首の骨折の時には医者へ行かなかった。何となく、自分の自然治癒力がどの程度のものか試したかった。恐るおそる痛みに耐えられるか、骨折がどのようになって行くか様子を見てみたかった。手首の尺骨と橈骨の両方を骨折して両方とも粉々になっていた。だから、手首を右手で握っても骨が無いので、掴めるものは肉だけでブラーンと手指が下がっていた。後にレントゲン検査だけ受けたが、二本の骨は砕け散って写っていなかった。骨折したその晩には猛烈な電気的な痺れと痛みがあって大声で呻きながら、一睡も出来ない。数日経つと痛みが消えて、一か月も経つと失くしたはずの骨は自然に再生して固い骨があるのを確認出来るようになっていた。そのうち骨は見事に再生した。形はいびつであったが、ちゃんと手にくっついている。粉々になった骨は肉、身体が消化吸収して排泄されたか身体の一部になったのだろう。新しい細胞に使われたのかも知れない。私の三十年来の氣の訓練で最大になった旺盛な自然治癒力で骨の再生が行われたのである。動物は極寒の土地であっても体毛が変化してフサフサの毛皮で生きて行ける能力がある。人間も高度四、五千メートルの高地でも長距離を裸足で走り抜くことが出来る。そしてトレーニングを積めば、百メートルの深海に潜る人もいる。ある特殊な条件を人間に課せば人間も特殊な智慧と能力を身につけることができるようになる。そのひとつが尤氏長寿養生功であった。

触れずに人を投げて、病いの患者を即座に治す。そんな能力が開発される。もちろん一朝一夕にできることではないが、毎日不断の努力を続けなければならない。  その結果、私がそんなことをできるようになった今、尤氏長寿養生功を太田氣功道場で教授している。人間の智慧と能力を最大になるまで伸ばして人間の氣とワザで病人やケガした人を救おうとする者たちは尤氏長寿養生功を学ぶことが必須の条件であることを、いづれ学ぶことになるだろう。