タヒチの釣りと漁

タヒチではいろんな魚がいて、良く釣れる。私は釣りは得意ではない。一度治療のお礼だと言って、シャコ漁に連れて行ってもらった。タヒチのシャコは日本のシャコの五倍ほどの大きさでお化けシャコである。大きいと言えば、ウナギは二、三メートルもある大きさで、タヒチアンには島の守護神のような存在で食べることはない。この大ウナギを捕まえて食べる外国人がいるのだと言う。韓国の船員だ。蒲焼きにするらしい。タヒチのシャコ漁は円形のカギの中にエサを入れて糸をつけてシャコの住む穴に浮きをつけて入れた後に浮きの反応を見て引き上げる。私が引き上げたシャコは三十センチもあった。フレンチ風に料理された卵の入った美味しいシャコだったが、やはり大味である。中国系タヒチアンには珍味である。広東省の出身が多いので、何でも食べる。一度は犬の肉も食べさせられたことがある。ボートを走らせてブダイやマグロも釣る。以前にも釣り上げた小さなマグロをタタキにして私のタヒチの父親に食べさせてみたところが、翌日歩けなくなった。痛風である。ビールが好きでウイスキーも飲む。痛風が悪化してしまった。痛風になっていたことを知らなかった。今は亡くなって島の綺麗な墓地に眠っている。タヒチに行くたびに墓石にウイスキーをかけて墓石を手で磨いて墓参りをする。英語が上手で、私の友人のようだった。いつも私をミツー、ミツー、と呼ぶ声が今でも耳に響くのである。