私は異端児

私は家族の中では黒い羊、black sheep と思われている。子どもの頃から周りがしていることをジッと見て、自分のやり方を考えた。兄弟姉弟の中で大学に進学したのは私だけで、勉強も自分一人でやっていた。塾も家庭教師も無い。小学校の時に当時流行していた結核にかかり運動体育を医者から止められて、武術武道に憧れた。身体を強くしようと、大学で少林寺拳法に出会った後に渡米したのであった。他人と同じことをしたくない。そんな考えであったかも知れないが、独立独歩の半生を送り、ついに自分の本当にしたいこと、尤氏長寿養生功との出会いが私の運命を決定づけたのである。日本に戻って来ても、歳をとっても異端児には変わりない。私のしている尤氏長寿養生功も特殊なものだが、私も異端であるから、特殊なものと異端児の相乗効果で他人から見れば相当変わっている奴!と思われているかも知れない。ただ単に教えられた通りは教えたくない。私の世界を構築したい、とタブーであった初対面者への勁空勁を盛んに行ない、ついにその世界を作り上げた。私の先輩や同輩が今の私を見たら驚いてしまうだろう。私の知る限りでは師母門下で私と同じことをしている者を私は知らない。三十年のあいだ勁空勁の応用だけを考え研究して来た。異端児はただ黒い羊で変わっているだけではない。常に新しいことに挑戦して新しい世界を作りあげようとしている変革者なのである。異端児は来年さらに異端になろうとして、タヒチに出発するのである。