護身としての尤氏長寿養生功

今から話すことは、何処かの宗家創始総師範と名乗る者の嘘話や誇張ではない、真実本当の話である。私の亡くなった妻が自宅の近くの日系スーパーマーケットに買い物をした帰りのことである。歩いていけるほどに近くにあった。買い物の帰り、白人アメリカンに後をつけられて、自宅近くになると後ろにその男の気配をまじかに感じる程近くまで寄ってきたと言う。もうなんとかしないと危ないと感じて、妻が急に後ろを振り向いて、えい!と気合を出して何時もの訓練で行なう両手で相手の肩を押す動作をしたそうである。後を追っていた男はいっぺんに尻もちをついて道路をスーッと滑っていったと言うのである。通氣の後であったので、私が空勁がかかったんだね、と言えば、恥ずかしがって、イヤただビックリしただけですよ、と恥じらうように言うのであった。突然であろうが、何だろうが、緊急時に何時もの訓練でしている動作で相手が尻もちをついた事実は、空勁の実戦的効果があったと私は解釈している。そして実戦の時は、突きや蹴りが護身として有効であるとは限らない。

この勁力は両手で押すばかりでなく、体当たりでも良いのである。むしろ、体当たりが護身として、より有効であるかもしれない。今は、私も亡き妻の経験を無駄にせず、そんな緊急時には、思い切り、体当たりでもしてやろうと思っている。