前へ

明治大学ラグビー部に名物監督がいて、

どんな時でも、何か一筆と乞われると

いつも、「前へ」と書いた。私は

この言葉が大好きである。ラグビー

要訣を一言で表している。意拳の要訣と同じである。意拳は何があっても、前に

出ろと教わる。相撲と同じである。

私が尊敬するチビ在日コリアンボクサー

の人生の哲学は、差別偏見に負けること無く、自分の弱さを見つめて、その克服の手段としてボクシングを選んだ。

幼少期のチビ在日コリアンとバカにされて、殴られた記憶が幾度も練習中に浮かび上がって来たに違いない。それを振り切るように地獄の特訓に耐えて、ついに

パッキャオへの挑戦権を手に入れる。

実を言うと、私も幼少期に今でも、

思い出す忘れられないことがあって、

私が師母との地獄の訓練に耐えられたのもこの幼少期の出来事があったからと

思われる。差別偏見があるのは、

在日コリアンだけに限らない。日本人が日本人を差別する場合もあるのだ。

どの国、どの社会でも、人間は、未だに無知なので、差別意識が無くなることはない。本当の教育、教養が必要である。

教育教養は知らない国や人文化をリスペクトする心や態度を養うことである。

単なる学歴や人間性を失くした高学歴

ではない。そして最近の風潮の

カネ、カネ、カネのカネの亡者の、

良心と人間性を喪失した者ばかりが、カビのように増えている。

こんな時代に地獄の特訓を受けて、自分の目標を達成することは少ない。

私がチビ在日コリアンボクサーに

共感するのは、同じ体験をしたと私が

一方的に思っているだけかもしれないが、ラグビーの要訣と同じことを共有していると思われるからである。

ボクシングも前に出ろ、とラグビーも一歩でも前に、我々の尤氏長寿養生功の基礎訓練も前に出ろと教わる。人生の場面、場面においても、引くことは致命的な結果になることがある。

前へ、前へ、自分の人生は一度きりである。引くな!前へ、