不動心と正中線

ある者はホントのことをズバリ言われてあまりに核心をついた言葉に動揺して怒りを顔に出して大声で怒鳴ったり、土壇場に来て逃げ回る。これ全て、己れのブレて、揺るぐ心の仕業である。鍛練されていない心、精神の弱い者の言動と行動である。我々尤氏長寿養生功を学ぶ者は身体の真ん中の線の正中線と言われる鼻とヘソを結んだ身体の中心線を徹底的にブレず、揺るぐことのない線に自分の重心を入れてどんな時にもその正中線を相手の正中線にぴったり合わせて、我の氣と相手の氣が反発するように重なり合わせることが大事 であることを学ぶのである。不動心とは動かぬ心ということだが、どんな状況にあっても、動じない、揺るがない、ブレない精神と心の状態を現している。それを身体で表現すると、微動だにしない正中線と言うことになるだろう。武術においては不動心など言う精神の状態を表す言葉が多いが、実際には体現する手段を持たず、ほとんどの武術では、机上の空論になっていることが多い。我が尤氏長寿養生功の訓練では、正中線を徹底的に鍛えることで、いつの間にか、不動心が育っているのである。両目はぼんやりと相手を見つめて全速力で走って攻撃するようにつき飛ばして来ても顔色一つ変えることはない。私の倍のサイズの白人が押して来ても身体の筋肉は硬直していない。リラックスしていた。腕のチカラを抜いて、脚と腰のチカラを腕に伝えて、相手を押し返すと相手がどんなサイズだろうが、相手をひっくり返すことができるのである。精神の不動心と身体の真ん中の中心線には相関関係があるようである。体験しないと理解出来ない不思議な氣功の世界ではある。