其の二の「自分」

今から言うことは、時効の話であるが、アメリカ人にはこんな人物も居て、他人の事情もわきまえず、リミットまで人を追い詰める者がいる。紹介しよう。ある日系人と知り合いになって、私の学歴を聞いて来たので大学は中退しました。と言って、しばらく経った。私が職を探していたところ、 You know what's wrong 

with you?  You dropped out your college. と言って私をなじったのであった。私が自分が望んで、勉学が嫌いで中退したと思ったらしい。何か理由があって中退したのだなと思う思慮もないか?悔しかった。歯医者であった。 当時日本で中退と言えば、経済的事情が理由であることも知らぬ唐変木であった。

私は心に叫んだ。私にアメリカに生まれる機会が与えられたなら、お前より上の学歴と社会的な地位を築いてやる!と。アメリカでは

貧困家庭の場合、手当が厚く、子弟は教育は無料、大学進学も奨学金がたくさんある。もちろん成績は優秀でなくてはいけない。目的を忘れないで、勉学を続ければ、医学部へも、後で返済する奨学金で自己負担が無くても行けるようになっている。銀行も医学部に進学する子弟には無担保で貸すのである。収入が良くなるから取りっぱぐれがない。日本よりはるかに恵まれている。私の東洋医学に対する私の思いを察してくれた、私の友人が入学金と授業料を貸してくれたので、私は鍼灸大学に入ることは出来たのであった。

もちろん、借りたお金は働いて全額返済した。