東洋の哲学や考え方は深くて興味深い。インドでは、世界に先駆けて、ゼロの発見があり、仏教では、「無」と「空」がその中心的な哲学となっている。無と空は、何にも無いと言うことではない。無になることは有を生み出すチカラとなることは西洋人にとっては理解出来ない考え方だろう。しかし、最近の日本人も即物的になって、西洋人の真似をする者が増えて来ているように思われてならない。我々尤氏長寿養生功の「空勁」も「empty force」と言う見えない無のチカラが、アメリカの力の象徴である二メートル近い、150キロもある有形のアメフットの選手を触らずに私が投げたのは8年前のテレビ局の番組での出来事であった。東洋哲学は、インドのゼロの発見や日本の禅の「空」と言う考え方は、東洋人、特に日本人の生き方に強い影響を及ぼしている。私は空勁が、東洋哲学の深奥に迫る、東洋哲学を体現する究極の手段であると考えている。言葉で、瞑想して無になれ!とか言っても、机上の空論になっている場合が多いだろう。そんな状況の中で、目に見えないチカラで目に見える有形の人間を投げ飛ばしてしまう現象を体験することは、東洋哲学の「空」と「無」を体感するに最も手っ取り早い具体的な手段となる。見えないチカラが見える世界を支配する。これは真理である。