食害?公害?人災

こんな患者も診た。中国でミルクに薬品を混入して水増しして売り、それを十年飲み続けて神経が侵され、歩行困難になった女性が来院した。バランス取れず良く歩けない。完治は望めないと告げても、治療を願うので、氣のチェックをしたら、足の先に反応があり、小刻みに震えて私が手を動かすと足がついて来るので一縷の望みをかけて治療したところ、私が氣で引っ張ると歩き始めた。経済的に困窮していたので、治療費をずっと安くして四、五回治療したのだが、それが、限界だったらしい。その後来なくなってしまった。これは、日本で以前に起きた水俣病のようなものなのだろう。誰かが私欲の為に食品に薬品を混ぜて水増しして大衆の健康を害する。これは食害とは言わずに人災と言うものだろう。法律の整っていない中国は、昔の日本のように経済の発展が優先されて、公害が起きる。何人の人の命を犠牲にしなければならないのであろうか?と絶望感を持った苦い経験で、今でも、思い出すと胸が苦しくなって来る。病いに苦しむ人を全て救うことは出来ない。治療とは、人間の欲、国のエゴまでも治療しなければ、真の治療とはならないのでは無かろうか?