大腿骨骨折

これは、とても珍しいケースであった。長年治療しているとこんなこともある。私を信頼してくれる日系人がいて、ロスアンジェルスから遊びに来ていた友人が急に何かの理由で脚に痛みが出て、歩けないので診て欲しいと一緒に来院した。いつものように氣を繋ぎ、治療すると痛みが消えて歩き始めた。応急的にとにかく痛みだけは取って歩いて欲しかったのである。あまりに調子良くなって、翌日、ロスへと車で帰ってしまったと言う。後日談があった。ロスに帰ってから、又痛みが出たと言うので医者へ行ったら、大腿骨が骨折していた、と言う。私はこれを聞いて二度ビックリした。何故ならば、ロスまでサンフランシスコから車で七、八時間かかるのである。大腿骨を骨折して、痛み止めの薬も取らずに七、八時間も車を一人で運転することは、チョット信じられない話である。私も何回かサンフランシスコからロスまで車で往復したことがあるので、こんな長い距離を骨折後に痛み止めの薬無しで運転することなど出来るものでは無い。私も左手首を大骨折した経験があって、骨折したその晩はあまりに痛んで、瞑想して痛みに耐えたが、大声で声を一晩中上げて寝られなかった。しかし、砕け散った二本の骨は一ヶ月ほどで再生して無くなったはずの骨二本が元通りになっていた。固い骨が同じところにまるで、トカゲの尻尾のように生えていたのである。人間の身体は神秘的で不思議なものである。氣を用いると、こんなことが起きてしまう。私の治療では氣を使うので、さまざまな奇跡的な現象が起きるから、こんな非日常が日常的に起きている。