自然治癒力

病気になって、医師の治療を受けて、病気が治ったのは医師の力であると思うことは、実はちょっと違う。何故ならば、風邪を引いて医者にかからずに 治った経験は誰にもあるだろう。そんな時には身体の免疫力が風邪の菌を殺すことが出来たからである。ケガをしたりして、手術を受けた後に傷口が早く癒えるようにクスリを塗ったりするが、傷口を癒してくれるのは実際には我々の自然治癒力なのである。私は不覚にも家の階段から落ちて左手首の橈骨と尺骨の骨二本同時に折って、その晩はあまりの激痛で一睡も出来ないほどであったけども、翌日には一晩中瞑想して、痛みがましになったので、医者に行かずに様子を見た。すると、三週間ほど経つと骨折部の骨が完全に砕け散っていてレントゲン写真に移っていなかったところを手で触ると堅い骨が再生されていた。驚くべきことだが、ひどい大骨折も自然に治ることになっている。人間の身体には骨が無くなっても、設計図が生まれながらに備わっており、元に戻るようになっている。医者に行くな!とか、医者の言うことを聞くな!とは言わないが、医者に行かずともこんなにもひどい骨折でも勝手に元に戻っている。もちろん完璧には元の形にはならない。片手一本で鍼灸の患者の治療を五年前の日本帰国寸前まで行っていた。手首の再生手術を受けた後に今でも、痺れと痛みは残っているが、大分回復して指の巧緻性を増すリハビリを自分でしている。腕が五倍に腫れ上がり、一生使えなくなるという恐怖感もあったが、尺骨骨頭の形は元通りになって、神経のさらなる回復を待っているところなので、心配はしていない。膝のケガも大分ひどく歩行困難で日本にはクルマ椅子に座って帰国したけれども、今では、正座とあぐらが出来るようになっている。全て私の自然治癒力がここまでの回復を助けてくれている。膝の手術は受けずに自分で考えたリハビリで正座やあぐらが可能になっている。私はどんな日本人も出来ない尤氏長寿養生功の過酷な訓練で強い氣を養ったので医者に行かずとも、治癒すると確信を持っていた。氣は自然治癒力を増幅する。免疫力も高まるのである。氣を訓練することは自分の将来に起こるさまざまな試練に打ち勝つチカラを与えてくれる。ひと言で言えば、生命力の増大である、と言えよう。生命力、自然治癒力、自然回復力、など再生に関するエネルギーを訓練増大することが氣功尤氏長寿養生功なのである。瞑想、運動、正食の行為が健康長寿の人生を歩ませてくれる。我々自身が医師であり、クスリであって、リハビリの先生なのである。医療の源も氣であった。武術も医療も芸術もその根源のチカラは氣であった。