Stop Smoking 禁煙

 Stop Smoking は本人のやめたいと思う意志が必要なので、成功率は当然低くなるのではあるが私はタバコの害がいかに身体に良くないかを教育して必要のある時には暗示や催眠で誘導して何人もの患者の禁煙に成功した経験がある。二、三の面白い例を紹介しよう。スペインで拳法の講習会で訪れた時に出会った拳法の生徒はヘビースモーカーで、タバコを吸っていない時は手が震えるほどの愛煙家である。そんなにしてまで吸いたいか?と思うのだが、嗜好の中毒は一般人には理解出来ない心理的要素が絡んでいる。当時のスペインではほとんどの女性もタバコを吸うタバコ大国であった。耳のツボに鍼を打ち、吸いたくなったら強く刺激するように言って様子を見る見ると我慢出来ないようで、何度も水を飲む。タバコの毒を排泄するつもりでいるらしい。本人の意志が弱いので最後は催眠を用いてタバコを止めることが出来たのであった。私は一か月しか滞在出来ないので、治療の日数は二、三日であった。もう一人はメキシコの滞在先で出会ったアメリカ人のリタイアしたオバサンである。キャンピングカーの中に住んでメキシコでの老後の生活を楽しんでいる典型的なアメリカンであった。健康に気をつけて、タバコの害が気になってタバコをやめたいと思っていた。耳に置鍼して私はアメリカで仕事があったからカリフォルニアに戻り一か月経って同じ場所に戻ってみると、オバサンはタバコをやめていた。どのようにしてやめたか聞いてみたところ、私が去った後でもやめられないでいたがある日、シャワーを浴びている時に耳の鍼が痛くなりエーイ!と思って耳の鍼を思い切り何度も押して強い刺激を与えてから、タバコを吸いたくなくなった、と言う。それ以来吸っていない。どちらもヘビースモーカーで止める意志があったから、心理的な準備が用意されていたので成功したと思われる。しかしタバコやアルコールなどの中毒は依存する心を治さねばやめられるものではない。耳のツボは自律神経を調節してバランスを取ってイライラや焦燥感を消して精神状態を改善する。東洋医学では精神をも考慮に入れて治療する。中毒は依存してしまう心の治療が必要なのである。アメリカではマリファナ中毒患者もたくさんいる。肺気腫などの肺の病気を引き起こすケースが多い。