緊張と弛緩

人が緊張している時はアドレナリンが出て、脳波はβ波になる。緊張するとパフォーマンスが落ちて、身体は上手く働かない。武術の達人やスポーツ選手などが良いパフォーマンスを出来る理由は身体が緊張せずにリラックスして身体が弛緩しているからである。人間が緊張している時には脳の前頭葉が活性化するように前頭葉を使い過ぎると緊張し易くなる。ストレスと言っても良いだろう。現代に生きる我々は前頭葉をよく使うので、緊張し易く、ストレスを受けている。逆に弛緩は前頭葉を一回遮断して使わない状態にする。すなわち、視床下部などの古脳と呼ばれる部分の脳を活性化させるようにすると氣を感じるようになって、より感覚的になる。つまり、現代人から古代人になることが氣功のしていることではないか?緊張し過ぎている者は氣を感じず、弛緩している者は氣を感じて治療が上手くいき、緊張している者は氣の流れが悪くなっているので、治りは遅くなる。ここに現代で気功を修練する意味がある。緊張を持ち多大なストレスを抱えて生きる現代人がリラックスして弛緩することにより、脳内のバランスを取る。このことにより、健康で長寿な人生を歩んで行けるものであると私は思っている。緊張してアドレナリンを放出することは仕事をこなして社会生活を営むことができるけれども、そればかりではさまざまな病気を引き起こして健康長寿にはならない。身体を弛緩、リラックスさせる必要がある。氣功はリラックス、身体をゆるめて弛緩させることが主な目的である。緊張と弛緩のバランスが人生を生き抜く極意と言っても過言ではない。怒る時には怒り、悲しい時は涙を流して、毎日決まってリラックス、身体を緩めて弛緩する調和の取れた生き方が我々に今、求められている。