松の心

私が今現在、尤氏長寿養生功に対して抱いている気持ち、心は、私が入門仕立ての時と変わらない。心はワクワクして、次の段階はどうなるのだろうか?という興味が次から次へと湧いてきて次回の練習にすでに私の興味が飛んでいる。基本的姿勢は何も変わらない。神道では、こういう初めての心と今でも変わらないことを松の心と言う。松は常緑樹である。松を見て、一番美しく、強いと思う時にはどんな季節であろうか?それは冬である。冬には全ての木々が枯れ果てて葉が無くなっている時期に枯れずに緑色の枝葉の上に白い雪が積もっている。こんな屏風絵を見たことがあるだろう。コロコロと言うこと、手変え、品変えて武術の名前を変えて生きる様は醜い。松の一番美しく強い時は冬の嵐と寒さに耐えるその時である。人生にも耐えねばならない時期を乗り越えて、緑を保つ姿勢と初心を貫いた者だけが持つ美しさを私は持ちたい。春や夏には松は似合わない。厳しい冬にこそ松の美しさが際立つのである。人間も同じである。順風満帆だけの人生はあり得ない。厳しい試練の時期を逆境を松のように緑の色を保ち、乗り越えて、生き抜いた者は美しい。初心貫徹、神道では、この心を第一等として、松の枝葉をお供えする。