氣の輪

私がアメリカサンフランシスコで尤氏長寿養生功を修練して氣を身体に溜めて日本に一時帰国したのが1994年のことであった。その氣は2020年にはタヒチに移り、世界に向けて発信することになっている。すでにタヒチには私の下に集まる道場生もいる。氣の輪は水面に石を投げた時に出来る輪が広がるように広がって輪は大きくなって行く。一人の投げた石が作った輪が広がっていく。タヒチには中国系タヒチアンが多数いて、師母が良く言っていた漫漫来、マンマンライと言う言葉をしょっちゅう使う。もちろん、ポリネシア語にも同じ表現がある。アレマルアレパプ、と言う。日本語では慌てずユックリ、と言うことになるだろうか?氣の輪は慌てずゆっくりと静かに大きくなっている。今では、ユーチューブがあり、全世界に一時に発信出来るようになっている。つい先日もオーストリアから連絡あって、尤氏長寿養生功はこちらが予期するより早く広がっているようだ。初歩の勁しか出来ぬようで、空勁が理解出来ない。尤氏長寿養生功のレベルにはなかなかに達することは出来ない。長年の過酷な修行が必要である。短期間での習得は難しい。が、氣の輪は広がって、修練の改良が進み、修練の期間と過酷に修練しなくとも習得は可能になっている。私が入門して師母に習ったやり方は百五十年ほど前の方法で今の時代について来る者は非常に少ないだろう。たぶん、私が意拳と尤氏長寿養生功の訓練を体験した最後の日本人だろう。その為に左膝を壊してしまい、身体障害者となってしまったが、脚一本と引き換えに尤氏長寿養生功を習得したことは私の誇りとなって、後悔はない。そして尤氏長寿養生功の氣の輪は広がる。