聴勁

内家拳の専門用語である聴勁は、とても難しい技術である。中国の太極拳などの内家拳では、口では言うが、実際の技術となると誰もできる者はいない。意拳の王向斉老師が完璧に出来てドクター尤老師、師母へと伝わった聴勁は私にも伝えられている。聴勁をするには、まず、勁を完璧に出来なければならない。相手が接触している場所に相手の氣を感じてその感覚の中にかすかな相手の攻撃しようとする意志、意図を察知して相手に勁を打つ。もしくは、こちらに不利な時には化勁と言って、相手に対する勁を変化させて方向を変える。これらの動作ができる前に聴勁をして、相手の動き、意志意図を腕と手の感覚によって、接触した部分で聴くのである 。五感を使って相手の動きを知る。日本の言葉にきき酒とか、鼻がきくとか言って、聴くと言うことがある。それと同じようなことだと思われる。微妙な心の中、中身を読む、ということだろうか?師母が良く私を捕まえては、太極拳化勁をみんなに説明した。その時の感触を思い出して、私の指導員の一人の個人教授の訓練で、一年ですっかり上達した者はすでに聴勁を教えるレベルになったので、聴勁を教えたのである。私が日本を離れる前にこの技術をどうしても伝えておきたい。そして、私の道場の道場長をどうしても通氣にしておきたいと思っている。尤氏長寿養生功の伝承を絶やさず、後継者を残すことは私の義務と責任と使命なのである。継承者が別の名前や武術と瞑想に分断して新たに道場を開く者である訳が無い。彼らにはある程度のことしか教えていない。尤氏長寿養生功タヒチに本拠地を移して世界へと進出する。尤氏長寿養生功の伝承は通氣をもって伝えられる。空海さんが密教の青果和尚から受け継いだことに似ているだろうか?通氣になってもいない者が継承者のような印象を与えていたことがあったけども、そんなことなどはあり得ない、とここで明らかにしておきたい。