赤ちゃん

尤氏長寿養生功の通氣と呼ばれる秘密の儀式によって、氣を丹田に降ろして氣を上にあがらないようにすると、不思議なことが起こり始める。身体は下腹がポッコリ出て肌はピンクになってまるで赤ちゃんのようになって来る。あるいは心自体も赤ちゃんのように楽しい時にはケラケラと笑って屈託が無い。心は純粋で作為がなくなる。嫌み、嫉妬がなくなって非常に明るく、なにごとをしても面白く、楽しいこととなり、幸せになる。だから、一般人には理解できない行動に及ぶことがある。偏見と差別無く、勝手に感覚の命ずるままに動くので、危なっかしい時があるけれども、後になって見るとそれがベストであったということがたくさんある。不思議なことになる。これは老子の言う理想の姿を見せているのではないか?そう言えば、Dr. 尤老師を評して、Dr尤老師の印象は?と私が聞いた時に、山水画の絵を描いたモノを見ているような感じであった。と言った私の先輩がいたのを思い出させる。老荘思想の実現をしていたからだったと私には思われる。通氣になると武術的にも、治療のチカラも以前に比較して倍増的なパワーがついて、人間が変わるような印象が私にはあった。もちろん、通氣になってスグではない。太くなった経路を氣が通るまでには時間がかかる。二、三年してから自覚する。ある時などは、道を歩いていると見知らぬ女性が急に私を抱きしめて来たことがあって、ビックリしたことがある。すっかり浄化されて、赤ちゃんのようになった私を見て、抱きしめたくなったらしい。不思議なことはたくさん起きた。通氣後、日本に一時帰国して道場を開いた時でもテレビ出演が相次いで、一度に五百名の道場生が集まり、氣の効果がこんなことにまで発揮するのか?と驚いたものである。