コンプレックス

日本のみならず、全世界、全ての国に差別と偏見はある。生い立ちや境遇に負けて、心が歪み、周りの人間にコンプレックスを持つ者がいる。その時点では自分の人生を生きていない。私も子どもの頃から差別を経験している。貧困で教育の無い家庭に育ち、長じるに従い、大学に合格しても私の母親は私に大学へは行くなと言った。働いて家に金を入れろ、と言った。私は反発して、友人の父親に入学金を借りて上京して大学へ入学した。飲まず食わずで一年で借金を返した。大学に入ってすぐに母は亡くなり、天涯孤独となった私はアメリカに武道を教えに出発して、大学中退者の私はアメリカでゼロからの出発となった。大学を出ていない私は皿洗いやガーデニングの日雇い労務者もして、生計を立て武道を教えた。アメリカでも差別と偏見はあった。金と家を持たない者は人間扱いはされない。日本人は少数民族で白人でないから見えない差別と偏見はつきまとう。でも私は負けなかった。武術武道の教えと魂と精神を信じていたからであった。尤氏長寿養生功の師母との出会いで、武術の真髄を知って、日本での金太郎飴を作るような大量生産の武道教授のシステムは間違いであると感じて今に至っている。私の生まれつきの無教育で貧困の雰囲気は現在微塵もない。一生懸命に働き、勉強して、尤氏長寿養生功を教える立場になって、誰よりも幸せになった。生い立ちや境遇に負けて、心が歪んでいる間は幸せにならず、自分自身の人生は歩めない。差別と偏見には,逃げるのではなく、自分自身を磨くように真面目に働き、自分の信念を貫く生き方を続けることによって、コンプレックスの克服 が出来るのである。