星に願いを込めて

夜の三時に起きて、瞑想しようとすると、目の前に海が広がり、大きな星が見える。この星に目の焦点を合わせて瞑想する。聞こえるのは珊瑚礁に打ち寄せる波の音に虫の音である。タヒチの太陽が出る前の時間は貴重である。涼しく、あまり湿度が高くない。瞑想するには格好の時間帯なのだ。昨日はフランス人で合気道をこの島で教えている先生に会った。元軍人でパラシュート部隊のベテランである。アフリカの奥地で作戦を展開してワニや大蛇が常食だったと言っている。合気道に関して何でも知っている。日本語とフランス語しか話せない。英語では通じないから日英しか話せない私は日本語で会話するしか方法はない。とても興味深い話を聞いてこんな特殊な人もこんな小さな国に住んでいるんだなと思った。パラシュート部隊と言えば、ポルトガルで出会ったカルロスと言う軍人が、パラシュート部隊で何千回と降下訓練した人物を思いだす。フランスを中心にしてラテン諸国では、軍人は立派な職業なのである。タヒチで飛行機を操縦中にエンジントラブルで海に着水して、九死に一生を得たが、背骨に大きな損傷を受けて、腰のあたりに大きな傷痕があった。瞑想の時に焦点を当てるものは星など宇宙にあるもの、遠くにあるものが良い。タヒチの地に於いても私の欲することが全て思い通りにすんなりと進んで行きますようにと願いを込めて祈りながら瞑想するのである。気持ちの良いスッキリとした瞑想となったのである。今は故人となった師母や私の妻の顔を思い浮かべてお願いをした。