自信あるもの

人が人生に誇りを持って生きるには、誰にも負けない自信が必要となる。若くして俺には自信がある、などと言う者にはマユに唾をつけて聞かねばならない。以前、二十歳そこそこで私から全ての秘術を学んで総師範となった、と自分で言っていた者がいたのであったが、自信がないから自分で自分を持ち上げるしか方法が無かった。時間をかけて長いあいだ訓練したものには自信が出てくる。自信を持って生きていける。芸は身を助くと言うことわざ通りに芸や技術は自分に有利な人生を送る手段となり、仕事にも出来る。私の場合には尤氏長寿養生功であった。持っていた家財道具は全て売り払って資金を作り毎日行なう訓練に備えた。私が上達したことに嫉妬した先輩アメリカ人が、お前は金持ちだから毎日練習に来れるのだ、と言って訳の分からない屁理屈で私に嫌み、嫌がらせをする。私の事情も知らず、表の姿を見て人は判断するものである。あまりにバカで反論する気にもならなかったが、私が仮に金持ちであったならば、こんな苛酷で苦しい訓練に毎日通うであろうか?バカで見た目だけで判断する人間とは付き合えない。 このオトコは自分に自信が無かったのでこんな嫌みを言って訳の分からない屁理屈をコネ回す。自信あるものは必要である。ほどなく勁空勁に絶対的自信の出来た私は海外に於いて勁空勁を試すようになって、タイミング良く日本のテレビ局に呼ばれることになった。自信がなければ、単身一人日本に乗り込んで見知らぬ人間を生番組で触れずに投げ飛ばすことなどできるものでは無い。出来ない可能性よりも出来る可能性の方がより大きかった。このように長年訓練を重ねて他人の何倍何十倍も練習したことは裏切らない。やればやっただけ自信がついてそのワザは裏切らないものである。練習もそこそこに自分に自信があると思う者には本当の自信はない。